コラム

食品製造業に関わる課題~定年退職による内製ツールのブラックボックス化~

2021/11/01

多くの食品製造業様と携わらせていただく中で、業態、規模問わず共通してお困りになっている課題がいくつか見受けられます。
これらの課題をご紹介させていただきます。

定年退職による内製ツールの課題

長年、一線で取り組まれてきた方の技術・経験は、会社の重要な資産です。
ただ、継承をしていく上で隠れた課題も多くあり、弊社のお付き合いのある企業様でよく話題になるのが、一人の担当だけが管理・把握している「内製ツール」です。

MSのAccessやExcelマクロなどは、比較的容易に利用できることから、自身の作業効率を目的に使用され便利なツールだった場合、自然と社内へ浸透・展開され、気が付くと業務を行う上で重要なツールになっているケースがございます。

このようなツールは、作成された方が在籍している間は特に問題として浮き彫りにはなりませんが、定年退職などで担当がいなくなってしまうと、どなたも管理や修正などの対応をすることができなくなってしまい、最悪の場合ブラックボックスと化してしまうこともあります。

なぜブラックボックス化してしまうのか

特にブラックボックス化してしまいがちな原因としては、利用することを目的としているため「ドキュメントが存在しない」ことです。

ドキュメントが存在しないため、どのシステムと連携をしているか、どのようなう仕様になっているかの把握ができず、かつ独特な作りになっていることも多いためシステム担当でも調査をするのに時間が掛かってしまいます。
また、現場の方々としては、業務上動いているのであれば問題ないと判断されることが多く、対応が先送りになってしまい、ブラックボックス化を加速させてしまいます。

ツール作成者の退職で発生しやすい課題

・MSで作成したツールの場合バージョンアップで動かなくなってしまう
・取込みデータの形式が変わり修正をしなくてはならない
・連携先のシステムが変わり、出力データの形式を変えなくてはいけなくなった
・操作ミスなどで動かなくなってしまった/壊してしまった

課題解決には

上記の課題解決には、まずは社内での体制の確保ができるかの検討が必要です。
システム部門と協力し、作成された方以外も対応できるような複数名で運用し、万が一のことが起きても対応できる体制構築が必要になります。


ただ、システム部門では他業務との兼ね合いでリソースを割けない、独自で作成したツールの場合、どこに影響を及ぼすのかを把握できないなどの理由から対応を拒まれるケースもあり、その場合は外部のシステム会社への依頼を検討をされるか、もしくは、基幹システムなどの他のシステムへ機能追加されることをお勧めいたします。

弊社でもお客様のご要望から既存サブシステム保守サービスを展開しており、ご利用のツール類をお預かりし、問合せ対応、ドキュメント作成などを行っています。

まとめ

  • MS Access・Excelマクロなどは利用しやすい反面、ブラックボックス化しやすい
  • ブラックボックス化の原因は、「ドキュメントがない」「独特な作りで専任者でも把握するのが一苦労」「動いているから問題ないと判断」
  • ブラックボックス化させないためには、社内外での体制構築が必要

Accessなどは容易に利用でき、業務の効率化にも直結しやすい非常に便利ではありますので、運用面も含めたご利用をお勧めいたします。


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例:需給調整

筆者:幸田

2015年入社
営業担当
パッケージ商品のご提案からフルスクラッチのご提案まで幅広く対応。
昨年第一子が誕生。子育てに奮闘中。

需っ給さん
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