コラム

課題解決シリーズ~①部門横断管理~

2021/10/18

食品メーカーのお客様からご依頼いただいた相談から解決に至るまでの経緯を数回に渡ってご紹介する「課題解決シリーズ」、第一回目は「部門横断管理」についてご紹介させていただきます。

部門の壁

冷凍加工食品を扱うY社様では、全国の営業マンがスーパーやコンビニチェーンとの商談情報を東京の業務部へ各自からFAXで報告します。FAXを受け取った業務部は表計算ソフトに転記、現在の在庫情報と照らし合わせて、工場に製造依頼を行っていました。
中食の増加に拍車をかけてヘルシーな食品を扱うY社様では、年々売上が増加するに伴い、営業マン一人ひとりの負担は増していました。
営業マンは日々の商談結果を商談管理システムに入力します。部内の共有は営業マン全員の日課として定着している一方、部外の業務部への共有であるFAXはある程度まとまった単位で送信するため後回しになり、最悪の場合は忘れてしまうこともありました。FAXが届かないということは業務部は古い情報のまま(年初に立てた営業計画のまま)製造依頼を工場へ出してしまうことになるのです。
その結果、商談で不要となった商品では過剰な在庫に、必要な商品では欠品が発生し、せっかくの商談も水の泡と消えてしまうだけでなく、スーパーやコンビニチェーンというお客様からの信頼も損なわれていきます。

業務部の苦労

業務部はこのような営業部の状況を理解し、業務部側から積極的に営業部に働きかけ、商談結果の収集につとめていました。
以前に送られたFAXから販売計画に変更はないか?数量は変わらなくても出荷時期に変更はないか?を電話や各支店に足を運び確認し、自社に戻って管理用の表計算ソフトに転記、基幹システムから最新の在庫情報を表計算ソフトに貼り付けて、需給のバランスを確認します。
ようやく業務部のメイン業務である需給調整が始まります。  
 

部門共有

多忙な営業マンにとって、FAXの送信は大きな負担になっていました。
元営業課長である業務部長のM様からご依頼いただいたのはFAXの廃止でした。
FAXで送信していた情報をシンプルにすると以下の4つです。
- 得意先名
- 商品名
- 数量(前回からの増減)
- 納品日
弊社は、クラウドのWEB画面で営業マンが営業現場ですぐに商談結果を入力し、業務部が把握できる仕組みを提供しました。シンプルな項目に絞ったこと、FAXを送信する手間を0にすることで営業マンの負担を大きく軽減することができました。
また、それだけでなく、商品を選択すると営業マンのだれがいつ出荷を予定しているかを見えるような集計画面もあわせて提供しました。

思わぬ副産物

FAXからクラウドのWEB画面への切り替えは営業マンへの説明に時間がかかったものの定着し、運用から数か月経った頃、業務部長さんから話を聞く機会がありました。

「FAXは製造依頼に使われてたんですね。形式的なものかと思ってました。WEB画面で計画を変更しないと在庫に大きな影響がでるのが一目瞭然なので、きちんと入力してます。」と営業マンから言われました。
営業部、業務部の負担の軽減にとどまらず、営業マンの意識も変わって、業務そのものを改善することができました。


営業マンは自身が送るFAXがどのような影響を及ぼすか忘れてしまった、もしくは正しく把握してなかったことが、在庫の過剰、過少の根本的な原因だったとのこと。 営業マンの意識が変わったことが、この仕組みを入れた最大の効果であったとおっしゃっていました。  
 

まとめ


1. 食品メーカーにとって部門間共有こそ需給の根幹であること
2. 個々の現場の実情を理解し、運用定着できる仕組みであること(入力作業は特にシンプルに)
3. 形式的に行われている(であろう)業務の本質を今一度見直すこと


昨今叫ばれるDX(Digital Transformation)の根幹ともいえる意識改革に通じる案件と言えるかも知れません。


キーワードを入れると、需っ給さんサイト内から検索できます。
例:需給調整

筆者:安立

2004年入社
SEを経て営業チームを発足。SE時代の知見・経験を活かした提案で多くの企業の業務課題を解決。
中日ドラゴンズファン

需っ給さん
Privacy Overview

This website uses cookies so that we can provide you with the best user experience possible. Cookie information is stored in your browser and performs functions such as recognising you when you return to our website and helping our team to understand which sections of the website you find most interesting and useful.