食品メーカーのお客様からご依頼いただいた相談から解決に至るまでの経緯を数回に渡ってご紹介する「課題解決シリーズ」、第二回目は「適正在庫での管理」についてご紹介させていただきます。
安全在庫での管理
仕入れの発注点を安全在庫で設定されている商社、卸は多く、安全在庫を下回った場合に、自動発注されるシステムを導入されている会社さんもご支援先にあります。自社倉庫だけでなく、センターや客先の倉庫の情報も一元管理している場合はなおさら精度も高く、過剰在庫や欠品が起こるリスクも低くなります。
しかし、食品メーカーの場合、定番品など安定的な販売が見込める製品以外については、原料や資材の在庫や生産能力を加味して製造計画を立てるため、安全在庫の管理だけでは生産量を決定することはできません。
過剰在庫の例
1.セールスマンの助言を元に
「これまでの傾向からこの製品は売れるから余った原材料はすべてこの製品を作り置きしておこう」と大量に製造したところまったく売れず、廃棄することになった
2.付き合いの長い仕入れ先から包材を
大量に一括注文した方が安く仕入れられるから、とりあえず仕入れてしまおう(年間数百万円の包材廃棄)
この2つの事例は実際にお客様から伺ったものです。一過性の高いトレンドを元にした予測(勘)や、コロナ禍のように実績が役に立たない状況の中、これまでと同じように製造や仕入れを行ったことで大きな廃棄に繋がりました。
適正在庫とは
そもそも適正在庫は、「欠品しない最低の在庫量」を差します。しかし「欠品しない」というのは製品によっても社内の各部門の考え方によっても異なることが多く、計算式で一概に求めるのは危険です。
製品ひとつひとつ適正在庫を管理することで過剰在庫や欠品を防ぐことができるのですが、数百、数千という製品を扱う食品メーカーも少なくありません。製品数と適正在庫管理が需給担当者へ大きな負担となり、抜け漏れが起きる原因となっていると考えられます。
製品個々の「未来の」在庫を知る
適正在庫を管理しようとすると負担が大きくなることは前述の通りなので、適正在庫を管理するという発想ではなく
①現在の在庫、②販売計画、③生産計画を照らし合わせて、シンプルに未来の在庫を把握、過剰、欠品を自動で検知して、需給担当者が認知させることが最も重要であり、認知した後は、生産量を調整することは容易です。
この認知にフォーカスした機能が「需っ給さん」の「アラートリスト」です。アラートリストは予め設定した閾値を上回った場合、下回った場合に自動で検知して、需給担当者に視覚的に知らせる機能です。
「需っ給さん」のアラートリストとは?
「新商品やキャンペーン品は欠品や過剰は起きない。問題は定番品。」
「需っ給さん」を導入いただいた製販調整部門の部長さんの一言です。
注目している製品の在庫は日々、営業部門や生産部門とやり取りをしているから問題は起きにくく、注目していない定番品などで欠品を起こすことがある。そのため、アラートリストがあると注目していない製品も自動で検知してくれるので助かるとのことでした。
まとめ
1.食品メーカーにとって適正在庫を管理しようしすぎない
2.自動で検知、担当者が認知して生産数量を調整することで欠品や過剰在庫を防ぐことができる
キーワードを入れると、需っ給さんサイト内から検索できます。
例:需給調整