コラム

製販調整会議の問題とは?

2021/07/30

見込み生産を行っている製造業にとって、生産計画の立案には営業からの販売見込情報が不可欠です。 よりコストが掛からず、ロスの少ない計画を立てるために、今後の見通しを立て、いかに需給のバランスを最適化するかが重要です。 多くの製造業では、定期的に営業部門から生産管理部門、仕入や物流部門などを交えた製販調整会議を実施し、計画の調整を行いますが、この製販調整会議には大きな課題が隠れています。

そもそも製販調整会議の目的とは

製販調整会議では主に「納期厳守」「在庫削減」を目的としています。

・納期厳守 :欠品や納期遅れが発生すると、顧客信頼を失い、他社への乗り換えなど損失に繋がりかねません。
・在庫削減 :過剰在庫になると、廃棄や在庫維持費がかかるなど、収益悪化の原因となります。

営業側と製造側の代表者は、いかに欠品を起こさないようにするか、在庫を滞留しないようにするか、月次計画レベルで現状とお互いの見通しを出し合い、生産量の調整を行います。 数ある商品の調整を行うため、丸一日かかっても終わらない…ということもあります。

通常の製販調整業務の流れ

製販調整の流れは以下の通りです。

1.販売計画の立案
・販売の着地見込や翌月分の販売計画の情報を提示(いつ、何が、どのくらい売れそうなのか)
・月末の予定在庫数量を予測し、製品ごとの生産量を決定

2.生産計画の作成
・生産部門にて、より細かい計画に落とし込み
また、その際に工場の負荷も考慮

3.受注と出荷
・予測と実績に乖離が発生

4.製販調整会議にて、発生している乖離を調整
・販売見込みの変動や、直近の受注における予実の乖離によって欠品を起こさないよう、生産量を調整し生産計画に反映  

製販調整会議の問題

製販調整会議には、会議自体が形骸化しやすいという課題があります。主な原因として、下記が挙げられます。

・責任のなすり合い

第一に、営業側と製造側の間には組織間の壁があります。 例えば過剰在庫や欠品が発生した際、営業は製造側に対し欠品による機会損失を、製造側は営業側に対し販売予測精度の低さを批判するという、双方による責任のなすり合いが起きます。

・突発的な需要への優先対応で需給バランスが崩れる

予測していなかった無理な注文や需要が発生した場合、他の製品を差し置いて優先的に製造しなくてはなりません。 その結果、その場は残業などでどうにかしのいだとしても、他の製品の在庫が徐々に足りなくなっていき、需給バランスが崩れるという悪循環に繋がります。

・優先順位が最適でない

営業同士による在庫の奪い合いも発生します。 この奪い合いで勝者となるのは、大概、声が大きく力関係の強い先輩社員です。営業間で目標が達成できる・できないの差が生まれるだけでなく、本当に優先すべき顧客には商品が行き届かなくなってしまう可能性があります。  

解決方法

需給調整には各部門が関わってきますので、まずは組織横断で業務のつながりを相互に認識し、互いの状況を把握することが重要です。

・管理職の参加

製販調整会議では、組織横断の判断が必要不可欠です。そのため、管理職が出席することが好ましいです。 管理職が出席することによって、部門間の責任のなすり合いは解消されます。 また、先に述べたように、営業側は営業の、製造側は製造の言い分を主張します。 しかし、責任追及となると誰も真実の情報を言い出さなくなるため、まずは責任追及とは切り離し、オープンに議論できる場を設けることが重要です。

・情報共有で相互の連携強化

情報の共有で部門間の連携を強化することで、お互いの計画にどれほど予実差異があるのか、それによってどのような影響がお互いにあるのかを把握し、会社全体として最適な判断が可能になるため、需給バランスの崩壊を防げます。 また、同じ情報をもとに協議することによって、共通認識を持って議論を進めることができるので、結論への到達も早く、会議に掛かる時間の短縮にも繋がります。

・優先順やルールの明確化

各々の主観や主張が入り交ざらないよう、判断基準を明確化すると良いでしょう。 得意先ごとの優先度を明確化することで、より適切な判断が下せるようになります。本当に必要な顧客へ行きわたるようになりますので、利益の向上にもつながります。 また、需要予測が外れた場合は、いつまでにどの程度の変更ならば調整が可能なのか、ルールを明確化することで、対応可能か不可能化の判断を迅速に下せるようになります。  

まとめ

製販調整会議における問題は、それぞれの部門間に溝があり、お互いの状況を理解・把握できていないことによって起こりやすいと言えます。 適切な判断が下せるよう、常日頃からお互いに細やかに情報共有を行うことが必要不可欠です。
需給調整クラウドシステム「需っ給さん」では、販売と製造それぞれの今後の計画と、需給バランスが今後どのように推移するのかを、誰でも必要な時に確認することが可能です。 互いの情報が自然と共有されますので、全社として共通認識のもと、製販調整を行える環境が実現します。 このように、業務のつながりを相互に認識できるようにすることで、製販調整会議のありかたも変わってくるのではないでしょうか。




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例:需給調整

筆者:坂口

2017年入社
営業担当
「需っ給さん」をはじめとするパッケージ商品ご提案。
趣味:映画・ミュージカル鑑賞

需っ給さん
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